クロザピン
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クロザピンCLOZAPINE

クロザピンの有効性について

日本で行われた臨床試験(薬を発売する前段階として有効性や安全性などを確認する試験)では、精神症状が改善した率は57%~67%との結果が出ています。当院での治療例でも、長期入院が必要だった方が、このクロザピン治療で、退院につながったり、就労につながったケースもあります。

クロザピンの副作用について

クロザピンは、「無顆粒球症」「高血糖」などの重大な副作用が出現する可能性があります。安全に使用するために、早期発見を目的とした定期的な血液検査が義務づけられています。

日本の発売後の調査では…

無顆粒球症が起こった数:1651例中19例(1.15%)
高血糖などが起こった数:1651例中210例(12.72%)
※2009年7月29日から2015年10月31日まで

その他、クロザピンの服用により起こりやすい副作用として「よだれが多く出る」「便秘」「眠け」「発熱」「悪心」などがあります。

クロザピンによる治療を受けるためには

1.入院

治療は必ず入院してからの開始となります。原則として服用開始後18週間は入院が必要となります。これは、この間に無顆粒球症が発症しやすいためといわれているからです。
ただし、【18週未満で退院する条件】を満たせば服用開始4週目以降であれば退院して通院治療に移ることが可能となっています。

2.治療開始

クロザピンは「無顆粒球症」や「高血糖」などの重大な副作用の早期発見・早期処置のため、定期的な血液検査が義務づけされています。無顆粒球症の把握として、白血球数と好中球数を、高血糖の把握として空腹時血糖値とHbA1cを測定していきます。
血液検査は服用開始から26週間は、週1回のペースで行います。(26週以降になれば2週に1回に移行することもできます)
ただし、白血球数や好中球数が基準値より低下した場合には週2回のペースになり、さらに低下し中止基準に達すればクロザピンの服用を中止し、白血球数や好中球数がある基準に回復するまで毎日検査をおこなうことになっています。
なお、白血球数や好中球数が中止基準に達してクロザピンを中止した場合には、回復後であってもクロザピンの再投与は今後できないことになっています。

血液検査の結果報告システムについて

規則や基準に従って行われる血液検査の結果は、医師や医療機関のみで管理されるものではなく、クロザピンの製造・販売会社であるノバルティスファーマが設置したCPMSセンターにも報告されることになっています。
※CPMS:クロザピン患者モニタリングサービスの略称
CPMSセンターに報告される情報は、氏名や住所などの個人を特定できるものではありません。
CPMSセンターでは、クロザピンによる治療を現在受けている・過去に受けたことのあるすべての方の情報を管理しており、医療機関で定期的に血液検査が行われているかどうかを確認したり、血液検査によって服薬を中止した方が、他の医療機関で処方されるのを防いだりしています。

無顆粒球症が起きたときの治療体制について

無顆粒球症が起きた場合、クロザピンの服用を中止します。通院治療中の方は入院していただきます。
主治医は、無顆粒球症の治療に十分経験のある連携先の血液内科医とともに治療にあたります。場合によっては連携先の病院へ搬送した上で、血液内科医が治療をおこなうこともあります。

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受付時間

(午前)8:30〜12:00
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096-338-3838

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